カルテット2話感想。大切な人が結婚します。
カルテット2話すごくミゾミゾしてしまったので感想!!
「私、多分結婚する」
別府(松田龍平)の同僚の九條結衣(菊池亜希子)が結婚するらしい。
結衣は、父親が世界的な指揮者ということで社内で特別待遇をされて肩身の狭い思いをしている別府に唯一普通の男性として接してくれる同僚。
蟹をもらったら相手の家に行って一緒に食べる関係。別府は剥く係として呼ばれるらしい。
二人でカラオケ行って、SPEEDのWhite Loveを歌ったり、終電がないから同じ部屋で寝たこともあった。
同じ部屋で寝てても何も起きない。
お互いに気を許せる、一緒にいて楽な関係。
「へぇ」
そんな結衣からの突然の告白に動揺する。
相手は34歳になってから始めた婚活で知り合った。
普段はタイヤの話とかをするらしい。
カルテットの仲間にその話をすると、三人は「行間案件だ」と言う。
言葉と気持ちは違う。
人は思ってることと反対のことを言うものだ。
つまり、「別府君、私、多分結婚する」は「別府君、私の結婚、止めて」と言いたいんだと三人は主張する。
結衣が自分に想いを寄せていたことは何となく気付いていた。
そんな結衣が結婚するかもしれないと知って、何だか胸がざわざわする。
それでも別府には結衣の結婚を止めることはできない。
別府には好きな人がいるのだ。
別府君は真紀(松たか子)に思いを寄せていた。
最初に会った時、別府は大学生の時の学園祭。
宇宙人のコスプレをして客引きをしていた別府は、どこからか聞こえるアベマリアの音色に惹かれて入ったホールで、バイオリンを奏でていた真紀を見て恋に落ちた。
二度目に偶然会った時、真紀は立ち食いそばで肉そばを食べていた。
三度目に偶然会った時、真紀はヤマダ電機のマッサージ機に腰掛けてマッサージを受けていた。
もし、もしまた会えたら、その時は運命だと思うことにしよう。
声をかけてみよう。
次に会えたのは結婚式場だった。
結婚式場で勤めていた別府は、ウェディングドレス姿の真紀と四度目の再会を果たした。
何で、ヤマダ電機でマッサージ機に座ってる真紀に声をかけなかったんだろう。
何で、肉そば食べてる真紀に声をかけなかったんだろう。
いつものように結衣とカラオケに行った別府は、ひどく酔っ払い、結衣に絡み出す。
「何でそんな男と結婚するんですか」
「34ですからね。それはしますよ」
帰らないとゴネて、結衣の家に泊まった別府は、結局結衣を押し倒し、なし崩しに寝てしまう。
目が覚めた別府は寝起きにサッポロ一番を作る結衣に言った。
「僕と結婚しましょう」
冬の寒い朝、ベランダでサッポロ一番を食べる二人。
「結婚とか、ないよ。そういうのはもう、ないなぁって、思った時があったんだよ。
こういうのは、今日だけのことだよ。
まぁ私もズルいし、別府君もズルい。
でも寒い朝、ベランダでサッポロ一番食べたら美味しかった。それが私と別府君のクライマックスでいいんじゃない?」
結衣の結婚式で演奏することを引き受けた別府。
誓いのキスをして新郎新婦が退場する時、別府に独奏を任せる真紀。
別府がアベマリアを奏で、新郎新婦がバージンロードを歩く。
花嫁の足がふと止まる。
別府が奏でていたアベマリアのメロディが、SPEEDのWhiteloveに変わっていたのだ。
いや~~~別府君ズルいよな~~~!
自分のこと好きなんだろうなとぼんやり気付きながら、居心地いい関係を維持しつつ自分の恋バナ話すとかやることが鬼畜すわ~~~!!
でも同じくらい結衣もそれ分かってて打算的でズルくて、これが大人の恋ってやつか…ってなりますね。
菊池亜希子さんの演じる34歳の女性が等身大でリアリティあったなぁ。
一緒にいて気が楽で、何でも話せて、家に泊めるまで気心が知れて。
そんな友達以上恋人未満のような関係に居心地の良さを感じて、最初は結衣も、内心ひそかに逆転を期待した日もあったかも知れない。
だけど別府君の恋の相談に乗りながら自分の気持ちを押し殺すうちに、別府君への想いが実ることはもうないんだなぁ、と悟ってしまう。
自分の年齢は34歳。
片想いに費やしている余裕はない。
男と女の年齢の進む時間は違う。
結衣が別府君への気持ちに蓋をしながら婚活するのは至極当然のことである。
「あっちにさぁ、可愛いカフェあるんだけど。遠くて。で、毎回すぐそっちにあるチェーンの方入っちゃうの。まぁそれはそれで美味しいんだよ」
遠くて可愛いカフェは真紀。
近くのチェーン店が自分。
癪だけど、結婚するとなって惜しくなって自分に迫って来るのは満更でもない。
別府君への気持ちに折り合いをつけるまで、結衣がどれだけの時間を費やしたのかは分からないけれど、それだけ時間をかけて決めた覚悟を、人のものになるの分かってから今更焦ってプロポーズされても、もう手遅れだったのだ。
結衣がこの決断を下すまで、彼女なりに沢山葛藤してきたんだろうなぁと思って勝手に感情移入してしまったけど、それを一切彼女の視点を入れず、1話と2話のとても短い登場シーンだけでそれを表現して視聴者を引きずりこむなんて、役者の力量と脚本と演出が、ただただ素晴らしいなぁ、凄いなぁと感動してしまった。
最後のバージンロードのシーン。ズルいな~~~別府!!
別府君が奏でるアベマリアがWhite Loveに変わる瞬間、あまりにも自然で、最初からそういう曲だったかのようで、気付く人にしか気付かない感じが。
別府はズルい。あんな素人童貞みたいな顔してさ~!(松田龍平になんてことを言う)
歌詞だってウロ覚えのくせにさ~~~!!
何で弾けちゃうんだよ~~~!!
長年の片思いにケリつけて吹っ切ってした結婚式の最後で、あの雲の彼方へ私を連れてく気もないくせに~~~!!
34歳の女がカラオケで歌う歌がSPEEDのWhite loveというところにリアリティしか感じない同世代。
この世代の女はカラオケでちょっと時間経っていい感じにだれてきた頃に大体White Love入れがち。
果てしないあの雲の彼方へ私を連れてってほしがりがち。
それ聴いた友達が触発されてSTEADY入れがち。
そこからだんだん小室に走りがち。
カルテット、主軸の話も面白いんだけど、目が笑ってない元地下アイドルの店員役の義吉岡里帆も、サンドウィッチマン富澤と八木亜希子の夫婦もいい。
別府君が八木亜希子演じる“谷村さん”のことをずっと“谷間さん”って間違えて呼んでて、旦那のサンドウィッチマン富澤に裏に呼び出されたかと思ったらさっきまで富澤が着てたダウンベスト着て胸元隠しながら戻ってきたシーン、どうでも良すぎて笑った。
菊池亜希子さんと言えば、問題のあるレストランでセクハラ退社した役も印象的だったな~!
いい女優さん。