お願いランキング レーザー読書。カズレーザーの書評
去年、奇特なキャラと歯に衣着せぬ物言いで大ブレイクを果たしたメイプル超合金カズレーザー。
最近では年間200冊を読む読書芸人としても知られるが、今話題の5冊を読み、独自の視点でランキングをつけるレーザー読書というコーナーがやっていた。
選出図書は以下の5点。
カズレーザーのランキングは以下。
5位 『十二人の死にたい子どもたち』沖方丁
十二人の自殺志願の子供達が、安楽死をしようという計画のもと、廃病院に集まる。
全員が自殺に同意することを前提としていたのだが、病院に着くと既に一体死体があった。
カズレーザーの書評
入り口は確かに面白いが、そこからの盛り上がりに欠ける。
十三人目の死体は誰が殺したのか、という推理のもと、登場人物がロジカルに動きすぎている。
ルールのもとに動いてしまってるので、十二人の行動が予測できてしまう。
推理があまりにも淡白。
新人作家なら超面白いが、沖方丁という超人気作家ゆえ、期待しすぎてしまった。
4位 『たとえる技術』せきしろ
ありきたりな言葉を面白く例える方法を書いた本。
例えば「驚く」という表現でも、「軽い気持ちでエサをあげたら予想以上の鯉が集まってきた時のように驚く」、「オダギリジョーが本名と知った時のように驚く」などのように例えようによって表現の幅が広がる。
カズレーザーの書評
めちゃくちゃ面白い。
一つの言葉で沢山表現しているので大喜利みたい。
想像力の刺激の仕方が分かるので、若手芸人全員に買ってほしい
本中には説明文と例文が書いてあって、それぞれで文字サイズが異なるレイアウト構成になっているため、例文がページを跨いでしまって読みづらい、という点で4位の結果に。
3位 『君の膵臓をたべたい』住野よる
高校2年の男の子と、性格の正反対のクラスメイトの女の子。
女の子は膵臓の病気で、余命いくばくもなかった。
カズレーザーの書評
「君の膵臓をたべたい」という言葉のグロテスクさだけが気になってしまう。
すごいラブロマンスで味付けしてても、膵臓の臭みは消せない。
自分はダメだったけど、今の若い子は全然平気だと思う。
2位 『雑談力』百田尚樹
多くの人は雑談について「相手が興味を持ちそうな話をすればいい」と思っているが、それは大きな勘違い。じつは本当に面白い話題とは、「話し手が一番興味がある話題」である。そしてその話の構成を工夫しさえすれば、誰もが引き付けられる話になるのだ。
カズレーザーの書評
とにかく構成が素晴らしい。
4章で成り立っているんだけど、起承転結の結になる4章が雑談についての話ではない。
本来なら構成上ダメなはずなのにそれでも読ませる力がある。
雑談力というのをこの本自身で説得している。
ダメな理由は、百田尚樹の言葉がそもそも万人受けしないから。
一石を投じるのが好きな方。
百田尚樹の小説は万人受けするが、百田尚樹が書いた新書、となると、それだけで取らない人は取らない。
1位 『四月になれば彼女は』川村元気
結婚を控えた精神科医の男性。
同棲して三年。どこか冷めた関係。
そんな時、初めて付き合った女性から手紙が届くように。
カズレーザーの書評
著者は「恋愛がなくなった世界を書きたい」と語っていて、この本を読んだ時も最初は「スゴい冷めてる登場人物ばかりだなぁ、なんだこの本」と思った。
しかし、読み進めるうちに、登場人物全員が、おのおの恋愛の答えを持っていて、恋愛だらけの世界だと分かった。
恋愛小説とはかくあるべきというのが全部つまってる。
このハッピーエンドを見たらぐうの音も出ない。
読後感が良過ぎて、読んだ後この話したくてしょうがない。
カズレーザーは本当に楽しそうに語るので、この本は本当に面白いんだろうな、と思ってしまう力がある。
歯に衣着せぬ物言いで注目されているけど、5位の「十二人の死にたい子どもたち」は「沖方丁という人気作家ゆえ」、4位のたとえる技術は「レイアウトの構成」、3位の「君の膵臓をたべたい」は「若い子なら気にならない」と万全のフォローをぬかりなく入れているのも好感が持てる。
ロンハーでの格付けで道端アンジェリカを「ランボルギーニ」、ダレノガレを「軽の中のトップ」、女子アナを「女子アナは報道が仕事なのにバラエティでシャシャってる」と独自の視点で格付けをしたが、「内面はみんな絶対いいところがあるんだから」とさりげなく言って救いを持たせていたのが印象的だった。
千鳥ノブ、フット後藤、山ちゃん、アンタッチャブル柴田などの例えツッコミ好きとしては「たとえる技術」がめちゃめちゃ気になった。
確かに表現力広がりそう。
カズレーザーが気になっていたレイアウト構成も私は気にならなかったので、チェックしようと思う。